「離婚したい」養育費はいくらもらえる?年収別の目安と正しい養育費の取り決め方

縁あって一度は結婚に至ったものの、何かしらの事情で離婚を余儀なくされるケースは少なくありません。

もし離婚をすることになったら、夫婦間に子どもがいる場合、離婚に際して『どちらが子どもを引き取るか(親権はどちらにするか)』『養育費の金額はどうするか』などの取り決めをする必要があります。

そこで今回は、できるだけスムーズな離婚・養育費の取り決めができるよう、本記事では

● 養育費とは何か?
● どうやって養育費の金額を決めるのか?
● 相手が支払ってくれなくなったら?

…など、養育費にまつわる疑問を解決していきます!

離婚を検討している方、養育費の取り決めに迷われている方は、ぜひ最後までお読みください。

養育費とは

養育費とは、離婚により他人同士になる夫婦間の子どもを、20歳まで育てていくためにかかる費用のことです。養育費の内訳は教育費や医療費、衣食住にかかる諸経費などを指します。養育費は、子どもを引き取る親(親権者)ではなく子ども自身の権利であり、子どもの親である夫婦の義務でもあります。

また、義務であると同時に子どもへの愛情とも思っていただくと良いでしょう。
物理的に離れて暮らさなくてはならなくなった子どもに対し、非親権者が毎月きっちりと養育費を支払うことで子どもの生活を助けることになるのですから。

養育費はどちらが支払う?

養育費は、離婚後に子どもを引き取らない方(親権を持たない方、以後『非親権者』)が、子どもを引き取り、同居して育てていく方(親権を持つ方、以後『親権者』)に支払います。離婚をすることで親権者でなくなったとしても、子どもが社会的・経済的に自立するまでは支払い続ける義務があるのです。

養育費の平均相場はどれくらい?

養育費は、両親の年収、子どもの数や年齢等によって適正な金額を算出しますが、14歳以下の子どもを1人扶養する場合の養育費の平均相場は4万円~6万円が目安となっています。

ちなみに、請求できる養育費の目安は裁判所のHPにある養育費算定表で請求できる養育費の目安を算出することが可能です。以下の表は養育費算定表をもとに算出した年収別の目安となる養育費の金額です。

年収 養育費目安
年収300万円 2万円~4万円
年収400万円 4万円~6万円
年収500万円 6万円~8万円
年収650万円 8万円~10万円

※専業主婦が離婚する際の養育費目安
※妻が無収入で、夫の給与収入が下記表の通りかつ14歳以下の子どもを1人扶養する場合

養育費はいつまでもらえる?支払う?

養育費は、原則子どもが20歳になるまで支払う義務があります。
しかし、子どもが大学に通う場合で、かつ両親共に子どもの大学進学を望む場合はこの限りではありません。

大学に通う場合は22歳まで学生となりますので、それまでの間は社会的・経済的に自立していないとして養育費の支払期間となる場合があるのです。
そのため、金額以外にも『いつまで養育費を支払うのか』など細かい取り決めが必要になります。

養育費は過去に遡って請求できる?

養育費は、請求する以前のものを遡って請求することは基本的には難しいでしょう。

例えば、離婚を決めて別居を開始した半年後に離婚調停を行い、正式に離婚が決定したとします。その場合、養育費の支払い(請求)が開始されるのは『調停申立時』が一般的とされています。別居〜調停申立時までの半年間分の養育費は請求するのが難しくなってしまうのです。

そのため、離婚が決まったらなるべく早めに養育費についての取り決めを行う必要があります。

そして、養育費の取り決めを行った後で支払いが遅れ、本来受け取れるはずの養育費が受け取れていないなどの場合は、弁護士にご相談ください。5年以内であれば、時効の主張ができず、請求ができます。そして、5年経過した後でも、消滅時効の援用をされたかどうか、そして、請求の方法はどうだったかなどで、請求ができる場合がありますので、いずれにしても弁護士にご相談ください。

離婚後の養育費の金額を決める方法

養育費の金額は多くの場合、次の3つの方法で決定します。

● 話し合い
● 養育費請求調停
● 家庭裁判所の審理

まずは調停の前に双方で話し合って養育費の金額を決めることが多いです。
しかし、関係性によってはなかなか決まらないこともあるでしょう。

双方の話し合いがうまくいかない場合は『養育費請求調停』を申し立てます。
この時、すでに離婚が成立していれば『養育費請求調停』ですが、離婚が成立していない場合は『離婚調停』として、財産分与などに合わせて養育費の取り決めも行います。

それでも決まらない場合(調停不成立)、自動的に審判手続に移行します。
審判手続は家庭裁判所が各資料を確認した上で適正な養育費の金額を決定するものです。

なお、養育費の金額を決める際には、支払い期間や支払い先など、関係する項目も合わせて決めることが大切です。

公正証書の取り決めが大切

養育費の金額や支払い期間などの取り決めについては、公正証書に残すことが大切です。
公正証書は法務大臣に任命された公証人(法律の専門家)が作成する書類のことで、執行力を有する信頼性に優れているものです。

養育費の取り決めについて公正証書を残しておくことで、非親権者から養育費の支払いが遅延した際に裁判手続きをしなくても財産を差し押さえることができるのです。

一度は結婚までした相手だからと、このような書類を作成するのは気が引ける方もいるかもしれません。しかし、離婚の際にはしっかり公正証書を作成することで結果的に子どもの財産を守ることにもつながるのです。

離婚後に義務者(非親権者)が再婚したら養育費はどうなる?

「離婚した元夫が新たに再婚したみたいだけど、養育費はどうなるんだろう…」そんな心配を抱えている方も多いことでしょう。基本的には非親権者が新たに再婚をしようと、養育費の支払い義務が生じます。

しかし、もともと相場よりも高い養育費を支払っていた場合で、かつ非親権者と再婚相手の間に新たに子どもが生まれた場合など、非親権者の経済状況が悪くなった場合には養育費が減額になる可能性があります。

養育費の支払いが滞ったら

養育費の取り決めの際、調停や審理など裁判所を通して決定した場合は家庭裁判所に電話することで、非親権者に対し『履行勧告』や『履行命令』を出してもらうことができます。

履行勧告は裁判所が非親権者に支払うよう説得してくれる制度で、履行命令は支払いを命じてくれる制度です。ちなみに履行命令に従わなかった場合は10万円以下の過料が科されますが、履行勧告と履行命令のいずれも法的強制力はありません。

また、離婚時に公正証書を交わしていた場合は強制執行を行うことで非親権者の給与などの財産を差押えることも可能です。しかし強制執行は費用と手間がかかるので、最初は双方で話し合いをするところから始めることをおすすめします。

相手に支払い能力がない場合はどうなる

『養育費の取り決めを行った際はバリバリ働いていたけど、うつ病になってしまい非親権者の収入がゼロに…。養育費が支払ってもらえなくなってしまったけど、どうしよう。』実はこれ、珍しいケースではありません。

非親権者に養育費を支払う能力がない場合は、支払いを減額・免除することが認められています。そのため、非親権者の経済状況次第では養育費の減額・未払いが発生する可能性があるのです。

養育費の取り決めに悩むなら、弁護士に相談を

適正な養育費を受け取ること、支払うことは、子どもが社会的・経済的に自立できるまで育てていく上でとても大切なことです。例え離婚して夫婦関係が解消されても、子どもを養育していく義務があります。

しかし、
● 相手からとんでもない金額の養育費を請求されている
● お金がないから養育費を払えないと言ってくる
● 養育費を払いたくないと言っている
…など、養育費の取り決めについてうまく話がまとまらない場合や不安を感じる場合は、ちば松戸法律事務所の弁護士にご相談ください。

また、離婚の際は何かと気を揉むことも多いものです。
弁護士に相談することで第三者に客観的に話を聞いてもらい、処理することができるため、心理的な負荷も軽減するはずです。

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